営業案内
人事考課・目標管理
成果主義賃金・賞与
公的年金情報
退職金・企業年金
労働衛生
メンタルヘルス
セクシャルハラスメント
労務管理レポート

プロフィール

_MG_0029_1.jpg

社会保険労務士 田代事務所
所長 田代 英治
東京都社会保険労務士会代議員
1級DCプランナー
職務経歴書のダウンロード

独立プロフェッショナル・コンプライアンス資格
logomark_CCIP_b.jpg

連絡先
Tel: 090-9686-0125
Fax: 020-4666-8269
E-mail: etashiro@withe.ne.jp

さらに詳しく...

メールマガジン

人事担当者必見!
人事労務屋のつぶやき《メルマガ版》
(マガジンID: 0000146826)
メールマガジン登録
メールアドレス:

Powered by まぐまぐ

リンク

お世話になっております。
インディペンデント・コントラクター協会
産労総合研究所
第一法規株式会社
株式会社日本法令
労務行政研究所
企業年金研究所
ライフバランスマネジメント(MTOP)
構造計画研究所(MBOシステム)
日経ビジネスEXPRESS
テレビ東京ワールドビジネスサテライト

ビーンスター(「自己演出」と「コミュニケーション」、「情報発信」に特化した教育&マーケティングの鶴野充茂さん)
ラーン・ウェル(参加型セミナーの企画・運営・会場手配を教育するセミナーコンサルタント関根雅泰さん)

社会保険労務士試験に合格して資格をGet!
弁護士倶楽部
全国社会保険労務士情報一覧(全国社会保険労務士情報一覧を地域別に整理して、一覧マップを作成しました。)


  第一編 労務管理の今日的問題と対策 2005年10月01日更新

1.過重労働対策

平成13年12月、長時間にわたる疲労の蓄積についても業務による明らかな過重負荷として考慮することとし、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」が改正されました。疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられるのは労働時間であり、その時間が長いほど業務の過重性が増すことが医学的にも明らかにされています。厚生労働省は平成14年2月、「過重労働による健康障害防止のための総合対策」を公表し、その中で「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置等」を定めました。「事業者が講ずべき措置等」のポイントは以下のとおりです。

「事業者が講ずべき措置等」のポイント

【時間外労働の削減及び労働時間の適正管理】
時間外労働が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患との関連性が強まると考えられています。事業者は時間外労働が月45時間以下となるよう適切な労働時間管理に努めて下さい。月45時間以下の労働者についても、時間外労働の更なる短縮に配慮して下さい。また、時間外労働の削減には、労働時間の適正な管理が必要です。労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を記録・確認しましょう。

【年次有給休暇の取得促進】
年次有給休暇の取得しやすい職場環境づくりに努めるとともに、年次有給休暇の具体的な取得計画を作成し、取得促進を図って下さい。

【労働者の健康管理に係る措置の徹底】
<健康診断の実施の徹底>
事業者は、労働者の健康確保を図るため、定期健康診断を実施しなければなりません。健診結果で一定の項目に異常の所見がある労働者には労災保険制度による2次健康診断等給付制度が利用できます。

<健診後の適切な事後措置の徹底>
健康診断の結果、所見が認められた者については、健康保持のために必要な措置について医師の意見を聴き、必要な措置を講じなければなりません。

<産業医による保健指導や助言指導>
時間外労働時間の時間数により、以下の措置を講じて下さい。
(a)月45時間を超えた場合
事業者は作業環境、労働時間、深夜業の回数及び時間数、過去の健康診断結果等の情報を産業医に提供し、健康管理についての助言指導を受ける。
(b)月100時間を超え又は2~6ヶ月間に平均80時間を超えた場合
(a)の対応に加え、事業者は産業医の面接による保健指導を受けさせる。産業医が必要と認める場合は健康診断を実施させ該当する労働者に必要な事後措置を受けさせる。


2.職場のセクシュアル・ハラスメントの問題と対策

(1)セクシュアル・ハラスメントとは
セクシュアル・ハラスメントとは「相手方の意に反する性的な言動によって不利益を与えたり、環境を悪化させること。」であり、いかに個人的な好意が動機であっても、相手側が拒否している場合や相手側が拒否することを知りえた場合は全てあてはまります。また、職場とは通常業務を遂行する場所をいいますが、アフターファイブの宴会であっても、実質的に職場の延長線上のものであれば、職場に該当すると考えられます。
セクハラには大きく分けて次の2つのパターンがあります。
(a)対価型
女性労働者の意に反する性的な言動に対する女性労働者の対応によって、その女性労働者が解雇、降格、言及などの不利益を受けることです。
(b)環境型
女性労働者の意に反する性的な言動により、女性労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、その女性労働者が就業する上で見過ごせない程度の支障が生じることです。
【身体接触型】
・ 上司が女性労働者に対して抱きついてきたため、出勤するのがつらくなっていること。
・ 事業主が女性労働者の腰、胸等に度々触ったため、その女性労働者が苦痛に感じて、その就業意欲が低下していること。
【発言型】
・ 同僚が取引先において「性的にふしだらである」などの噂を流したため、その女性労働者が苦痛に感じて取引先に行くことができないこと。
・ 会社内で顔を合わせると必ず性的な冗談を言ったり、容姿、身体に関することについてきく男性労働者がおり、女性労働者が非常に苦痛に感じていること。
【視覚型】
・ 女性労働者が抗議しているにもかかわらず、事務所内にヌードポスターを掲示しているため、女性労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと。

(2)セクシュアル・ハラスメントは何故問題なのか
① 女性従業員にとって
職場におけるセクシュアル・ハラスメントは、そもそもその対象となった女性従業員の名誉や個人としての尊厳を不当に傷つけるものです。そういった意味で、女性従業員の人権や人格権に関わる問題です。被害者の心身に支障を及ぼすとともに職場環境を悪化させ、女性従業員の働く意欲を低下させ、能力発揮を阻害してしまいます。最悪の場合、女性従業員が退職に追い込まれることにもなりかねません。
② 会社にとって
被害者の健康や仕事に対する重大な影響、さらには職場環境の悪化によって職場秩序や仕事の円滑な遂行が阻害されるなど、企業の効率的運営、労働生産性の観点から見逃せない問題です。企業の社会的評価にも影響しかねません。セクシュアル・ハラスメントに関する裁判も増加傾向にあり、企業の使用者責任を問われるケースも増えています。

(3)セクシュアル・ハラスメント対策にどう取り組んでいくのか
① 制裁規定
セクシュアル・ハラスメントの行為者とされた者については、公正な調査によりその事実が確認された場合には、その他の服務規律違反における場合と同様、諸般の事情を勘案したうえ、懲戒処分の対象となることがあります。また、就業規則に制裁規定を明文化、或いは「セクシュアル・ハラスメントの防止に関する規程」等別規程を制定することも検討します。
② 相談・苦情への対応窓口
従業員各位が苦情の申し出や相談ができる体制を整えるとともに、実際の苦情・相談に適切かつ柔軟に対応するべく、その窓口を社内外に設置します。
③ 職場におけるセクシュアル・ハラスメントが生じた場合における事後の迅速かつ適切な対応
職場におけるセクシュアル・ハラスメントが発生した際に、これを放置したり、対応を誤ると職場環境に悪影響を与え、さらなるセクシュアル・ハラスメントを誘発しかねません。職場におけるセクシュアル・ハラスメントの再発防止のためにも、その事実関係を迅速かつ正確に確認するとともに、事案に応じて適正に対処することが必要です。


3.職場のパワーハラスメントの問題と対策

(1)パワーハラスメントとは
パワーハラスメントとは、簡単に言うと上司(或いは先輩)による職場のいじめを意味します。時には情け容赦のない非情なものとなりがちで、精神的な病にまで追い込まれるいじめは陰湿で暴力的です。未だしっかりとした定義付けはなされていませんが、この問題の第一人者である(株)クレオ・シー・キューブ社長岡田康子さんによる定義では次のようになっています。
職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く環境を悪化させ、或いは雇用不安を与えること。
この中でキーワードは、「本来の業務の範疇を超えて」、「継続的」、「働く環境の悪化、雇用不安」となります。問題となりそうな行為に対して、上記の点からみて、それがパワーハラスメントに該当するか判断されることになります。本来の職務の範疇であれば業務上の指導・注意ということになりますが、それを超えた命令や仕事とは直接関係ない個人的なことにまで口を出し、個人攻撃とも思われる言動を繰り返せば、該当することになりそうです。
パワーハラスメントは、次の3つに分類されます。
① 身体的暴力
② 精神的暴力
③ 無視する
この中で、周りから見ると「身体的暴力」を受けるのが一番辛そうに思いますが被害者にとってつらいのは、「精神的暴力」、「無視する」のほうだと言われています。

(2)パワーハラスメントに対して
これまで、パワーハラスメントは、往々にして個人が起こす個人的な問題、逸脱だと理解されてきました。しかしながら、パワーハラスメントは放置しておくと、社員の名誉や尊厳を傷つけるばかりでなく、さらなるモラールダウンをもたらし、会社の業績や社会的信用の問題にまで発展しかねないとも言われています。
このように、パワーハラスメントは、従業員個人のとしての名誉や尊厳を傷つける問題であり、人権侵害の問題であるとの視点より、会社としても今後取組んで行く必要があります。まずは、セクシュアル・ハラスメント相談窓口の対象範囲を広げて、人権侵害に関する相談も加えること、予防のための教育・研修を行うことなどが考えられます。皆がそれぞれの立場で注意していれば、特段問題にならない話だと思いますので、引き続き行きすぎた言動や行為がないように注意することが重要です。
  
(3)上司(先輩)も部下(後輩)も“パワハラ度”チェック!
上司(先輩)に当たる方は、以下のチェックリストで、ご自分のパワハラ度をチェックしてみましょう。また、部下(後輩)に当たる人は上司(先輩)がこのような行動をしていないか、チェックしてみましょう。これが即座にパワハラにあたるとは限りませんが、これを機に、自分の行動を見直してみましょう。
○たびたび部下(後輩)を説教している  
○陰口が気になり、部下(後輩)の行動を監視したことがある  
○つい、部下(後輩)に当たってしまうことがある
○問題が起きたとき部下(後輩)のせいにしたことがある
○つい、えこひいきをしてしまう  
○相性が合わない部下(後輩)は無視したり、つい怒鳴りたくなる
○部下(後輩)にたばこやジュースなどを買いに行かせることがある
○取引先など社外で部下(後輩)を怒鳴ったことがある
○誘っても飲みに来ない部下(後輩)は、嫌いだ  
○イライラしたときに部下(後輩)に愚痴を言うと、多少はすっきりする
○自分の指導の仕方が正しいのであって、それで育たないのは部下(後輩)が一方的に悪いと考える。


4.職場のメンタルヘルス対策

近年、経済・産業構造の変化、高齢化が急速に進展する中で、労働者の就労意識の変化や働き方に変化が見られます。厚生労働省が実施した労働者健康状況調査によると、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合が増加しています。
このような状況から、厚生労働省では平成12年8月に、事業場において事業者が行うことが望ましい労働者の心の健康の保持増進のための基本的な措置(メンタルヘルスケア)が適切かつ有効に実施されるため、メンタルヘルスケアの原則的な実施方法について「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を定めました。各事業場においては、実施可能な部分から取り組んでいくことが重要です。

(1)メンタルヘルスケアの基本的考え方
① 事業場におけるメンタルヘルスケアの重要性
職場には労働者の力だけでは取り除くことができないストレス要因が存在しているため、労働者の取り組みに加えて、事業者が積極的にメンタルヘルスケアを実施することが重要です。
② メンタルヘルスケアを推進するにあたっての留意事項
イ.心の健康については、その評価は容易ではなく、また、心の健康問題の発生過程には個人差が大きいこと
 ロ.プライバシーの保護及び労働者の意思の尊重に留意すること
 ハ.人事労務管理と連携する必要もあること
 二.心の健康問題は、家庭・個人生活等職場以外の問題も影響を受けていること

(2)心の健康づくり計画
① 心の健康づくり計画の策定
メンタルヘルスケアは、中長期的視点に立って、継続的かつ計画的に行われることが重要です。このため、事業者には、事業場の心の健康づくりに関する職場の実態とその問題点を明確にするとともに、その問題点を解決する具体的な方法等についての基本的な計画(「心の健康づくり計画」)を策定することが求められています。
② 心の健康づくり計画で定める事項
 イ.事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること
 ロ.事業場における問題点の把握及びメンタルヘルスケアの実施に関すること
 ハ.メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源の活用に関すること
 二.労働者のプライバシーへの配慮に関すること
 ホ.その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること

(3)メンタルヘルスケアの具体的進め方
メンタルヘルスケアは、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、「事業場外資源によるケア」の4つのケアが継続的かつ計画的に行われることが必要です。

【セルフケア】・・・労働者自らがストレスや心の健康について理解し、自らのストレスを予防、軽減あるいはこれに対処します。
・ 労働者は、事業者が実施する施策に基づき、ストレスへの気づき、ストレスへの対処、自発的な相談を行います。
・ 事業者は、セルフケアに関する教育研修、情報提供及び相談体制の整備を行います。

【ラインによるケア】・・・労働者と日常的に接する管理監督者が、心の健康に関して職場環境等の改善や労働者に対する相談対応を行います。
・ 管理監督者は、作業環境、作業方法、労働時間等の職場環境等の具体的問題点の把握及び改善を行います。その際、個々の労働者に過度な長時間労働、過重な疲労、心理的負荷、責任等が生じないように配慮します。また、労働者からの自主的な相談に対応します。
・ 事業者は、管理監督者に対する心の健康に関する研修を実施します。

【事業場内産業保健スタッフ等によるケア】・・・産業医、衛生管理者等の事業場内の健康管理担当者が、事業場の心の健康づくり対策の提言を行うとともに、その推進を担い、また、労働者及び管理監督者を支援します。
・ 事業場内産業保健スタッフ等は、職場環境等について評価し、管理監督者と協力してその改善を図ります。また、労働者のストレスや心の健康問題を把握し、保健指導、健康相談等を行います。
・ 専門的な治療を要する労働者に対しては、適切な事業場外資源を紹介するとともに、職場復帰及び職場適応の指導及び支援を行います。
・ 事業者は、事業場内産業保健スタッフ等に対して、教育研修、知識修得等の機会を提供します。
 
【事業場外資源によるケア】・・・事業場外の機関及び専門家を活用し、その支援を受けます。
・ 事業場外資源は、専門的な治療が必要な労働者への対応や、休業中の労働者の職場復帰に関する指導及び支援を行います。
・ 事業者は、それぞれの役割に応じた事業場外資源を活用します。


*)参考: 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについて

厚生労働省は、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(メンタルヘルス指針)」(平成12年8月9日、基発第522号)に基づき、職場におけるメンタルヘルス対策を推進しています。
この指針では、心の問題により休業中の労働者の職場復帰について、事業場内産業保健スタッフ等は管理監督者及び事業場外資源と協力しながら指導及び支援を行うこととされています。
厚生労働省は平成16年10月、心の問題により休業した労働者の職場復帰支援のための事業場向けのマニュアルとして「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を公表しました。手引きについて留意すべきポイントは以下の通りです。

① この手引きでは、心の健康問題による休業者で、医学的に業務に復帰するのに問題がない程度に回復した労働者を対象にしています。
② この手引きには、労働者が実際に職場復帰をするに当たり、事業者が行う職場復帰支援の内容を総合的に示しています。
③ 事業者は手引きを参考にしながら、衛生委員会等の場で検討し、産業医等の助言を受けながら、個々の事業場の実態に即した形で、事業場職場復帰支援プログラムを策定しましょう。
④ 事業者は、職場復帰支援に関する体制や規程を整備し、労働者への周知を図るようにしましょう。
⑤ 職場復帰支援において扱われる労働者の健康情報のほとんどは、労働者のプライバシーに関わるものです。事業場職場復帰支援プログラムの実施に当たっては、労働者のプライバシーに配慮するとともに、事業場内産業保健スタッフ等を中心に、労働者、管理監督者が互いに連携を取り、主治医との連携も図りましょう。
⑥ この手引きによる職場復帰支援の流れは、病気休業開始から職場復帰後のフォローまでの5つのステップからなっています。

【職場復帰支援の流れ】
第1ステップ 病気休業開始及び休業中のケア
イ.労働者からの診断書(病気休業診断書)の提出
ロ.管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等によるケア

第2ステップ 主治医による職場復帰可能の判断
労働者からの職場復帰の意思表示及び職場復帰可能の診断書の提出

第3ステップ 職場復帰の可否及び職場復帰支援プランの作成
イ.情報の収集と評価
(イ)労働者の職場復帰に対する意思の確認
(ロ)産業医等による主治医からの意見収集
(ハ)労働者の状態等の評価
(ニ)職場環境の評価
(ホ)その他
ロ.職場復帰の可否についての判断
ハ.職場復帰支援プランの作成
(イ)職場復帰日
(ロ)管理監督者による業務上の配慮
(ハ)人事労務管理上の対応
(ニ)産業医等による医学的見地からみた意見
(ホ)フォローアップ
(ヘ)その他

第4ステップ 最終的な職場復帰の決定
イ.労働者の状態の最終確認
ロ.就業上の措置等に関する意見書の作成
ハ.事業者による最終的な職場復帰の決定
ニ.その他

第5ステップ 職場復帰後のフォローアップ
イ.症状の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認
ロ.勤務状況及び職務遂行能力の評価
ハ.職場復帰支援プランの実施状況の確認
ニ.治療状況の確認
ホ.職場復帰支援プランの評価と見直し

*)参考 MTOP(メンタル タフネス オリエンテーション プログラム)について

最近は何かとストレスが溜まることが多く、“自分は大丈夫である”と考えていても知らないところで精神的ダメージが増大していた、ということが多くなってきているのではないでしょうか。現在、うつ病は生涯の罹患率が15パーセント、また3人に1人はうつ症状と言われており、もはや“心のかぜ”といった誰にでも起こりうる状況になっていると言っても過言ではありません。体の健康診断は定期的に実施しているように、心の健康診断の実施も必要性が高まっています。

そこで、自分のために自身で定期的に自己の精神状態を把握できるよう、自らストレスや心の健康に ついて理解し、自らのストレスを予防、軽減する為のサポートができるサービスとして、(株)ライフバランスマネジメントが提供するMTOP(=MENTAL TOUGHNESS ORIENTATION PROGRAM)をご紹介します。

このサービスではインターネットによるストレスチェックテストにより、自身のストレスの状況分析ができるようになっています。また、職業上のプレッシャーやストレスに対する精神的免疫力(=メンタルタフネス)を自ら強化できるよう開発されたEラーニングのプログラム「ストレス耐性を強化しよう!」も付属しています。

具体的な中身ですが、次の(1)~(3)のメニューが用意されています。

① MTチェッカー(ストレスチェック)
75の項目から、現在のメンタルコンディションのチェックを行います。ストレスの原因、影響、耐性(=メンタルタフネス)といった観点から毎月1回、定期的に測定していただきます。所要時間は約10分です。
② ストレス状況(現在のストレス状況)
MTチェッカーによる結果を、グラフやマップで定量的に自己分析できます。過去6ヶ月間の経年変化も 併せて自己管理していただきます。
③ ストレス予防対策
セルフケアコーナーメンタルへルスの情報、息抜きのコンテンツ、Eラーニングから構成されています。相談コーナー わが社の相談窓口

このようにMTOPでは様々な機能が用意されておりますので、皆様方が手軽に「心の健康状態」を把握でき、ストレスの早期的な「気づき」に有効であると思いますが、これだけでは職場のメンタルヘルス対策は万全ではありません。管理職を対象としたメンタルヘルス対策セミナーの開催、また、アクティブリスニング、アサーション或いはコーチングなどのコミュニケーションスキル向上のための集合研修をあわせて実施することが必要と思います。


5.賃金不払残業問題

賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針(平成15年5月23日 基発第0523004号)について、内容を下記します。この指針に基づいた労務管理が求められます。

(1)趣旨
賃金不払残業(所定労働時間外に労働時間の一部又は全部に対して所定の賃金又は割増賃金を支払うことなく労働を行わせること。以下同じ。)は、労働基準法に違反する、あってはならないものである。
賃金不払残業が行われることのない企業にしていくためには、単に使用者が労働時間の適正な把握に努めるに止まらず、職場風土の改革、適正な労働時間の管理を行うためのシステムの整備、責任体制の明確化とチェック体制の整備等を通じて、労働時間の管理の適正化を図る必要があり、このような点に関する労使の主体的な取組を通じて、初めて賃金不払残業の解消が図られるものと考えられる。

(2)労使に求められる役割
① 労使の主体的取組
労使は、事業場内において賃金不払残業の解消の実態を最もよく知るべき立場にあり、各々が果たすべき役割を十分認識するとともに、労働時間の管理の適正化と賃金不払残業の解消のために主体的に取り組むことが求められるものである。また、グループ企業などにおいても、このような取り組みを行うことにより、賃金不払残業の解消の効果が期待できる。
② 使用者に求められる役割
労働基準法は、労働時間、休日、深夜業等について使用者の遵守すべき基準を規定しており、これを遵守するためには、使用者は、労働時間を適正に把握する必要があることなどから、労働時間を適正に管理する責務を有していることは明らかである。したがって、使用者にあっては、賃金不払残業を起こすことのないよう適正に労働時間を管理しなければならない。
③ 労働組合に求められる役割
労働組合は、時間外・休日労働協定(36協定)の締結当事者の立場に立つものである。したがって、賃金不払残業が行われることのないよう、本社レベル、事業場レベルを問わず企業全体としてチェック機能を発揮して主体的に賃金不払残業を解消するために努力するとともに、使用者が講ずる措置に積極的に協力することが求められる。
④ 労使の協力
賃金不払残業の解消を図るための検討については、労使双方がよく話し合い、十分な理解と協力の下に行われることが重要であり、こうした観点から、労使からなる委員会(企業内労使協議組織)を設置して、賃金不払残業の実態の把握、具体策の改善へのフィードバックを行うなど、労使が協力して取り組む体制を整備することが求められる。

(3)労使が取り組むべき事項
① 労働時間適正把握基準の遵守
労働時間適正把握基準は、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき具体的措置等を明らかにしたものであり、使用者は賃金不払残業を起こすことのないようにするために、労働時間適正把握基準を遵守する必要がある。
また、労働組合にあっても、使用者が適正に労働時間を把握するために労働者に対して労働時間把握基準の周知を行うことが重要である。

② 職場風土の改革
賃金不払残業の責任が使用者にあることは論を待たないが、賃金不払残業の背景には、職場の中に賃金不払残業が存在することはやむを得ないとの労使双方の意識(職場風土)が反映されている場合が多いという点に問題があると考えられることから、こうした土壌をなくしていくため、労使は、例えば、次に掲げるような取組を行うことが望ましい。
・ 経営トップ自らによる決意表明や社内巡視等による実態の把握
・ 労使合意による賃金不払残業撲滅の宣言
・ 企業内又は労働組合内での教育

③ 適正に労働時間の管理を行うためのシステムの整備
・ 適正に労働時間の管理を行うためのシステムの確立
例えば、出退勤時刻や入退室時刻の記録、事業場内のコンピュータシステムへの入力記録等、或いは賃金不払残業の有無も含めた労働者の勤務状況に係る社内アンケートの実施等により賃金不払残業の実態を把握した上で、関係者が行うべき事項や手順等を具体的に示したマニュアルの作成等により、「労働時間適正把握基準」に従って労働時間を適正に把握するシステムを確立することが重要である。
その際に、特に、始業及び終業時刻の確認及び記録は使用者自らの現認又はタイムカード、ICカード等の客観的な記録によることが原則であって、自己申告制によるのはやむをえない場合に限られるものであることに留意する必要がある。
・ 労働時間の管理のための制度等の見直しの検討
必要に応じて、現行の労働時間の管理のための制度やその運用、さらには仕事の進め方も含めて見直すことについても検討することが望まれる。特に賃金不払残業の存在を前提とする業務遂行が行われているような場合には、賃金不払残業の温床となっている業務体制や業務指示の在り方にまで踏み込んだ見直しを行うことも重要である。
・ 賃金不払残業の是正という観点を考慮した人事考課の実施
賃金不払残業の是正という観点を考慮した人事考課の実施(賃金不払残業を行った労働者も、これを許した現場責任者も評価しない。)等により、適正な労働時間の管理を意識した人事労務管理を行うとともに、こうした人事労務管理を現場レベルでも徹底することも重要である。

④ 労働時間を適正に把握するための責任体制の明確化とチェック体制の整備
・ 労働時間を適正に把握し、賃金不払残業の解消を図るためには、各事業場ごとに労働時間の管理の責任者を明確にしておくことが必要である。特に、賃金不払残業が現に行われ、又は過去に行われていた事業場については、例えば、同じ指揮命令系統にない複数の者を労働時間の管理の責任者とすることにより、けん制体制を確立して労働時間のダブルチェックを行うなど厳正に労働時間を把握できるような体制を確立することが望ましい。また、企業全体として、適正な労働時間の管理を遵守徹底させる責任者を選任することも重要である。
・ 労働時間の管理とは別に、相談窓口を設置する等により賃金不払残業の実態を積極的に把握する体制を確立することが重要である。その際には、上司や人事労務管理担当者以外の者を相談窓口とする、或いは企業トップが直接情報を把握できるような投書箱(目安箱)や専用電子メールアドレスを設けることなどが考えられる。
・ 労働組合においても、相談窓口の設置等を行うとともに、賃金不払残業の実態を把握した場合には、労働組合としての必要な対応を行うことが望まれる。