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人事担当者の視点からコミュニケーションの重要性を語る |
2005年11月05日更新 |
2005年11月2日
【ビーンスタークラブ ミニ講演会】
1.メッセージの要約
人事担当者として、コミュニケーションの重要性を認識した経験についてお話したいと思います。まず、典型例の一つとして、「コミュニケーションと離職率の関係」についてお話します。
2.背景
人材不足が顕著になってきた昨今、貴重な人材が会社から流出することを見逃すわけにはいかないわけで、その原因と対策を考えることは重要だと思います。コミュニケーションの観点より、自分の経験を踏まえて、いくつか問題点を指摘したいと思います。
3.問題点の指摘(注目すべきはこの点です)
1)好業績をあげていても、自分の裁量度が少なく、自己の仕事の全体像が見えずに、長時間残業をしている者が多い部署は離職率が高い。
2)同じ年に入社した者(同期入社)単位でみた場合、同期の仲がよく、頻繁に飲み会をやっているような期は、離職する者が少ない。
3)採用時の試験の結果が良い(秀才タイプ)者は、上司や先輩から少し注意を受けただけで、自信を失うなど精神的に脆いケースが多い。
4)教えられる側だけの問題ではなく、教える側にも問題があり、同じ上司の下で複数の若い者が離職するケースがある。
4.判断材料と判断(こんな見方があり、私の意見はこうです。)
1)個人の仕事の裁量度と離職率には正の相関関係があるのではないか。(好業績を挙げている組織はボーナスの額が多くなるが、従業員はお金だけではモチベートされない。残業が多く、コミュニケーションの悪い職場では、優秀な人材は流出してしまう。)
2)インフォーマルな組織のコミュニケーションは結構重要な意味を持つのではないか。(同期ということだけでなく、同じクラブ参加する、同じ趣味をもつ、同じ寮に居住するなどのインフォーマルな繋がりも重要である。)
3)若い世代はダイレクトコミュニケーションで揉まれた経験が少ないのではないか。(上司に少し強く言われただけで自分を見失うケースが報告されているが、特に秀才タイプは要注意である。ストレス耐性の高い人物を採用する。)
4)管理職教育(マネジメント教育)が足りないのではないか?(悪い意味での放任主義が問題で、上司のほうから降りてきて、コミュニケーションをとることも重要である。)
5.メッセージの整理
以上、企業の人材流出防止の観点から、「コミュニケーション」の重要性を再認識。その他コミュニケーションの重要性について、自分の経験から、以下の点を取り上げたいと思います。
1)人事部からのメッセージはなぜ従業員に伝わらないのか
そもそも思想がないということもあるが、想定される様々な反論に対して対応できるようにあたりさわりのない表現になっていることが多い。社内通達文書でも、できる限り情報はオープンにして、わかりやすく強いメッセージを発信することが必要と感じている。
2)個人としてどんなところに気をつけていたのか
個別に相談を受ける場合、とくかく相手からよく聴くこと。(人事は従業員のサポート部門ということで)控えめな対応を心がけている。
相談時は、相手は感情的になっていることも多いので、法律的に杓子定規に処理しようとしないよう気をつけている(恋愛相談、離職相談などの例)。
従業員向けでは、決まったことをいきなり発表するのではなく、進捗状況(プロセス)を開示していくこと(あるいはパブリックコメントを求める)によって、従業員に心の準備期間を与え、少しでも納得してもらうように心がけている。
3)私の元上司(史上最年少の人事部長)のコミュニケーション術
基本的に「メールを出さない、メールには返事をしない。」主義。
こうすることによって、ダイレクトコミュニケーションを図るようにしている。電話もあまり好きではなく、とにかく各部署に出向いて話を聞いている。部下への指示は方向性だけで、誤解のないよう必ず口頭で発する。個人の成果主義を否定、「敵は外(内外の海運会社)にいるのであって、中で(味方同士で)戦っていてはどうしようもない」と、彼が着任する前に導入された人事制度を改変しようとしている。
以 上