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5.モラル・ハラスメントについて |
2005年12月10日更新 |
言葉や心の巧みな暴力 「モラハラ」悩み切実(2005年12月8日 朝日新聞より抜粋)
人格や尊厳を傷つける精神的な暴力「モラル・ハラスメント」を知っていますか?一つ一つは暴力と見えない巧みな言葉や態度が特徴で、被害を受け人も「自分が悪いからかも」と思う。だが、家庭や職場で繰り返されれば、うつになったり、休職をせざるを得なくなったり、深刻な事態も。海外では法規制の動きがあり、国内でも被害者の会や支援団体の設立が相次いでいる。
【モラハラ特有のコミュニケーション】
「モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない」(イルゴイエンヌ著、紀伊国屋書店より)
● 言いたいことをはっきり言わず、あいまいな言い方でほのめかす
● 考え方や欠点を軽蔑、嘲笑したり、人前で笑いものにしたりする
● 言葉で言ったことを身振りや態度で否定
● ひそかにうわさを流し、出所がわからないようにしながら相手を傷つける
● 顔を見ない、話しかけないなど相手を認めない態度をとる
【モラハラについての相談先】
モラル・ハラスメント被害者同盟 http://www.geocities.jp/moraharadoumei/
こころのサポートセンター・ウィズ http://www5a.biglobe.ne.jp~with3/
すずらん http://geocities.jp/suzuran3n7/
職場のモラル・ハラスメント対策室 http://www.morahara.com/
(1)職場で 退職や休職相談も急増
飲食業界で働いていた首都圏の20代女性は、経営者のモラハラに悩まされ、半年で仕事を辞めた。
ささいなミスも皆の前で「お前は最低の人間」としかられた。「本当に自分はダメなんじゃないかと、うつのようになってしまって」。しっぱいしたらどうしようと、経営者が近くにいるだけで仕事が手につかなくなった。
町沢メンタルクリニック(千葉県市川市)の町沢静夫院長によると、ある企業の30代の社員は、異動先でいきなり高度な仕事をさせられたが、周囲もノウハウを教えてくれず、うつ病になって休職したという。
町沢院長は「モラハラの根本には、上下関係や権威を重視する封建的な考え方と、よそ者を排除しようとする村八分的な要素があるのでは」と分析する。
04年開設のサイト「職場のモラル・ハラスメント対策室」の主宰者によると、アクセス数は1日平均千件を超え、相談には上司からだけでなく同僚間や部下からの例もあるという。
日本労働弁護団で労働相談を担当する棗一郎弁護士は「職場のいじめや嫌がらせは退職の勧奨や強要の手段となっているケースが多く、巧妙化している。うつ病などの精神疾患も問題化している」と指摘。背景には「長時間労働や成果主義の高まりなど、複合的な要因があるのでは」と話す。
厚生労働省によると、各都道府県の労働局や監督署に寄せられた04年度の民事上の個別労働関係紛争の相談のうち、いじめ・嫌がらせは1万4665件で全体の8.1%。02年度6627件、03年度1万1697件と急増している。
(2)海外では 労働法で規制や保護
フランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌさんが98年、「モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない」を出してベストセラーになった。続編に「モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする」もある(いずれも紀伊国屋書店から訳本が出ている)。
モラハラは「言葉や態度によって巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力」として、しだいに相手の精神状態を不安定にし、自殺に追い込むこともあると指摘。加害者の特徴は「自己愛が強く、他人に共感できない人」、被害者は「奉仕的でまじめ。素直で人のことを信じやすい」など。
フランスでは、02年、労働法に職場のモラハラを規制する条文を導入、事業主にも防止の措置をとる義務が課せられた。違反すれば禁固や罰金の対象になる。
ベルギーでは、02年、職場の暴力や精神的ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントからの保護に関する法律が成立。フィンランドでも同年、労働安全衛生法が改正され、暴力やセクハラ、いじめを含む身体的、心理的暴力が適用の対象となった。