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第一編 労務管理の今日的問題と対策 |
2005年10月01日更新 |
1.過重労働対策
平成13年12月、長時間にわたる疲労の蓄積についても業務による明らかな過重負荷として考慮することとし、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」が改正されました。疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられるのは労働時間であり、その時間が長いほど業務の過重性が増すことが医学的にも明らかにされています。厚生労働省は平成14年2月、「過重労働による健康障害防止のための総合対策」を公表し、その中で「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置等」を定めました。「事業者が講ずべき措置等」のポイントは以下のとおりです。
「事業者が講ずべき措置等」のポイント
【時間外労働の削減及び労働時間の適正管理】
時間外労働が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患との関連性が強まると考えられています。事業者は時間外労働が月45時間以下となるよう適切な労働時間管理に努めて下さい。月45時間以下の労働者についても、時間外労働の更なる短縮に配慮して下さい。また、時間外労働の削減には、労働時間の適正な管理が必要です。労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を記録・確認しましょう。
【年次有給休暇の取得促進】
年次有給休暇の取得しやすい職場環境づくりに努めるとともに、年次有給休暇の具体的な取得計画を作成し、取得促進を図って下さい。
【労働者の健康管理に係る措置の徹底】
<健康診断の実施の徹底>
事業者は、労働者の健康確保を図るため、定期健康診断を実施しなければなりません。健診結果で一定の項目に異常の所見がある労働者には労災保険制度による2次健康診断等給付制度が利用できます。
<健診後の適切な事後措置の徹底>
健康診断の結果、所見が認められた者については、健康保持のために必要な措置について医師の意見を聴き、必要な措置を講じなければなりません。
<産業医による保健指導や助言指導>
時間外労働時間の時間数により、以下の措置を講じて下さい。
(a)月45時間を超えた場合
事業者は作業環境、労働時間、深夜業の回数及び時間数、過去の健康診断結果等の情報を産業医に提供し、健康管理についての助言指導を受ける。
(b)月100時間を超え又は2~6ヶ月間に平均80時間を超えた場合
(a)の対応に加え、事業者は産業医の面接による保健指導を受けさせる。産業医が必要と認める場合は健康診断を実施させ該当する労働者に必要な事後措置を受けさせる。
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人事担当者の視点からコミュニケーションの重要性を語る |
2005年11月05日更新 |
2005年11月2日
【ビーンスタークラブ ミニ講演会】
1.メッセージの要約
人事担当者として、コミュニケーションの重要性を認識した経験についてお話したいと思います。まず、典型例の一つとして、「コミュニケーションと離職率の関係」についてお話します。
2.背景
人材不足が顕著になってきた昨今、貴重な人材が会社から流出することを見逃すわけにはいかないわけで、その原因と対策を考えることは重要だと思います。コミュニケーションの観点より、自分の経験を踏まえて、いくつか問題点を指摘したいと思います。
3.問題点の指摘(注目すべきはこの点です)
1)好業績をあげていても、自分の裁量度が少なく、自己の仕事の全体像が見えずに、長時間残業をしている者が多い部署は離職率が高い。
2)同じ年に入社した者(同期入社)単位でみた場合、同期の仲がよく、頻繁に飲み会をやっているような期は、離職する者が少ない。
3)採用時の試験の結果が良い(秀才タイプ)者は、上司や先輩から少し注意を受けただけで、自信を失うなど精神的に脆いケースが多い。
4)教えられる側だけの問題ではなく、教える側にも問題があり、同じ上司の下で複数の若い者が離職するケースがある。
4.判断材料と判断(こんな見方があり、私の意見はこうです。)
1)個人の仕事の裁量度と離職率には正の相関関係があるのではないか。(好業績を挙げている組織はボーナスの額が多くなるが、従業員はお金だけではモチベートされない。残業が多く、コミュニケーションの悪い職場では、優秀な人材は流出してしまう。)
2)インフォーマルな組織のコミュニケーションは結構重要な意味を持つのではないか。(同期ということだけでなく、同じクラブ参加する、同じ趣味をもつ、同じ寮に居住するなどのインフォーマルな繋がりも重要である。)
3)若い世代はダイレクトコミュニケーションで揉まれた経験が少ないのではないか。(上司に少し強く言われただけで自分を見失うケースが報告されているが、特に秀才タイプは要注意である。ストレス耐性の高い人物を採用する。)
4)管理職教育(マネジメント教育)が足りないのではないか?(悪い意味での放任主義が問題で、上司のほうから降りてきて、コミュニケーションをとることも重要である。)
5.メッセージの整理
以上、企業の人材流出防止の観点から、「コミュニケーション」の重要性を再認識。その他コミュニケーションの重要性について、自分の経験から、以下の点を取り上げたいと思います。
1)人事部からのメッセージはなぜ従業員に伝わらないのか
そもそも思想がないということもあるが、想定される様々な反論に対して対応できるようにあたりさわりのない表現になっていることが多い。社内通達文書でも、できる限り情報はオープンにして、わかりやすく強いメッセージを発信することが必要と感じている。
2)個人としてどんなところに気をつけていたのか
個別に相談を受ける場合、とくかく相手からよく聴くこと。(人事は従業員のサポート部門ということで)控えめな対応を心がけている。
相談時は、相手は感情的になっていることも多いので、法律的に杓子定規に処理しようとしないよう気をつけている(恋愛相談、離職相談などの例)。
従業員向けでは、決まったことをいきなり発表するのではなく、進捗状況(プロセス)を開示していくこと(あるいはパブリックコメントを求める)によって、従業員に心の準備期間を与え、少しでも納得してもらうように心がけている。
3)私の元上司(史上最年少の人事部長)のコミュニケーション術
基本的に「メールを出さない、メールには返事をしない。」主義。
こうすることによって、ダイレクトコミュニケーションを図るようにしている。電話もあまり好きではなく、とにかく各部署に出向いて話を聞いている。部下への指示は方向性だけで、誤解のないよう必ず口頭で発する。個人の成果主義を否定、「敵は外(内外の海運会社)にいるのであって、中で(味方同士で)戦っていてはどうしようもない」と、彼が着任する前に導入された人事制度を改変しようとしている。
以 上